本日のエスキス

今日は作品をつくる上でものすごく大事なことを先生から問われました。

僕は屋外展示で、場所性がとても強い所を敷地に選んでいます。
これまでこの場所について芦原さんの意思などに思いを巡らせながら、そこに自分の作品を置くということを考えてきました。

問われたこととは、自分の場所への関わり方です。
 ・場所を見せるための作品なのか。
 ・場所の要素を取り出し、それを用いて自分のやりたいテーマを作品に起こすか。
いずれもその場所ありきの表現ではありますが、上記の姿勢の違いで作品をつくる過程(作品自体)は全く異なるということでした。

正直自分でも揺れている部分です。どちらも大事にしたいところです。
結果そのどちらも実現できる可能性はあるが、製作する上でどこに一番重きを置くのか明白にしなければこの先意見のしようもないということで、確かにその通りだと思いました。。
両方の攻め方で案を進めつつ、来週には自分の姿勢をはっきりさせていきたいです。

本日見てもらった案

この場所に新たな距離感を落とし込むということで、壁に対して面を切り込む。。など。
一番進めようと思っていたのは地面のラインで水平面を張って、堀下がった部分と壁に対して意識を向けるというようなものです。
そのための実験↓↓


思った以上に新しい見方ができて、面白い体感ができました。

“通り過ぎる”ときの見え方、再び

おはようございます。芸祭も終わり、いよいよですね。

児玉佳子
卒業制作展示希望場所: 8号館と工房4の間のドライエリア
   

芸祭前のゼミで、先生から頂いたアドバイスの中に、
『ドライエリアに面している部屋(上写真左側:視デの印刷工房)から、作品を見られるようにする』
という方法がありました。

翌日、生活課の方から
「場所申請のときに出した案だと、設備管理上心配な点が出てくるので、ゴーサインだせない。もしどうしてもここで展示したいのなら、別の案を考えること」
と電話があり、後日生活課をたずねた時に、(芸祭期間に入っていたため研究室が休みに入り、研究室にはまだ通していないのですが、)「もし印刷工房から鑑賞するような作品にしたいとなったときに、印刷工房は卒展のとき人を入れることができるか」について伺ったところ…
→この部屋は毎年映像作品で使われているので、光の問題なども考えて、人を通すことは難しい。視デの領域なので不可能と考えていた方がよい。
…と言われました。
とりあえず、今週中にもう一度新しい案と共に生活課に行くことになっています。
予定では、その案をもって視デの卒制担当の方に一応話を聞いてもらうことになっています。
土屋先生と研究室に直接話してから生活課に持って行きたいと思います。


●具体的な案について

正直に、印刷工房から観る案は今現在薄れてきています。

言葉と形、形の場所、場所と言葉…。全体がうまく結びつかず、悩んでいましたが、
印刷工房から観る案が出てから更に結びつかなくなりました。

芸祭期間中も、ドライエリアによく居座っていたのですが、
ある時市原さんに、
「最初は“枯山水”とか“不自然”なんて言葉は無くて、この場所を見せたいって言ってなかった?」
と言われました。
考えてみたら、この場所に対する思案の始まりは、
「作品を持ってきて、魅せることでこの場所を示したい」と考えていたことを思い出しました。

卒業研究の「東京庭園」では、
何気ない場所が人々の“庭”という作品によって、本来の目的以上の可能性を持ち、その場所の見方に広がりを得たせていることに気付き、
そしてこのドライエリアに目がいったのは、(ほとんど直感でしたが、)そのような可能性を感じたからでは?
今まで存在していたのに全く意識していなかった。それはムサビにいる多くの人も同じだと思う。なにせ工房4にいつもいるテキスタイルの人たちが気付かなかったくらいなので。

だからこそここに作品を持ってくることでこの場所の存在や可能性を示したい。
文章は長くなってしまったが、言いたいことは実は単純で、要するに…何気ない場所(ドライエリア)を何気ない場所でなくしたい。ということなのだと思います。

●場所の見方●
この場所を発見した時の私は、
「通り過ぎて、ハッとして、もういちど戻ってジッと見た」
です。
視デでない限り、“通り過ぎる”場所であって、普段わざわざ印刷工房を開けてもらって中から様子を観られるような場所でもありません。さらに意識していない限り立ち止まることもなく通り過ぎるだけで終わるような場所です。
だからこそ今もう一度、通り過ぎる時に見えるような作品の可能性も考えたい。
つまりその見方だと、作品を観る場所は下の写真のようになります。
反対側(梯子が付いている側)は通路に沿った場所ではないので、普段通り過ぎるところではありませんが、そこまで回れば同じように見下ろせる場所です。
※印刷工房から観る作品を完全に考えないことにするわけではないです。
長々と文章ばかりですみません。
太田さんの手伝いの時間が近付いてきたのでこのへんで切り上げますが、
ドローイングも追って載せていきます。